ポータブルビデオという用途

iPod nanoにはうっかり飛びついてしまった私ですが、今回のiPod videoには正直肩透かしを食らった気分です。コンテンツ自体を音楽と同系列でネット販売というのは斬新かと思いましたが、モノとしてはなんというか…意外性は全然ありませんでしたな。

PSPが出たときも思ったんですが、世の中にはまだそんなに「出先で映像を見たい」という欲求がないような気がします。映像は音楽みたいに「ながら」での視聴が出来ないですし、データもデカいしなにかと扱いにくいと思うんですよ。1年半、DVDレコーダー+ポータブルDVDプレイヤーを通勤時に使っていた経験ですが、かなりのモチベーションと熱意がないとなかなか日常活動として定着はしないと思います。ここまで勝ち続けたiPodですら、今回ばかりは苦戦するんじゃないの?という気がしていますが、はたしてどうでしょうか?

事実、当のジョブス本人が、1年前にはこんなことを言っていたのです。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0410/27/news019.html

僕はこの意見に非常に共感を覚えた記憶があります。それから1年、たしかにビジネスとしてのネットワーク配信の仕組みは確立できたのかもしれませんが、消費者の意識は果たして「持ち歩く映像」にどれだけ顔を向けたのでしょうか?

そもそもビデオとまで行く前に、iPod photoってどのぐらい使われてるんでしょうね?少なくとも私はnanoでPhoto useはしてませんし、周りでも見たことないなぁ…。まぁ、また1年後に「すいませんでした。あの時あんなこと書いて、私が悪ぅございました」ってなってたら、それはそれで面白いと思います。

どちらかというと、私が興味を惹かれたのはこっちかも。

PSPロケーションフリー http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20051013/scei.htm

あと6年で終わっちゃう地上波放送って見方もありますけど、とはいえ今だに地上波放送は日本の中心メディア。しかも、これだけネットワーク化しているのに、今だに日本は地方ごとに放送内容が違ったりするわけです(もちろん地方の番組には地方なりのよさ、面白さもありますけど)。でも、これ使うと世界中どこにいても自分の家と同じTV放送が見られるわけですよね。これって、当たり前のようで実は今までなかなかなかったこと。

3年ぐらい前にVAIOが「外からVAIO Media」ってのをやってたのを覚えてます。私も触ってみたことがありますが、実は今回のロケーションフリーと同じようなものでした。ただ当時は通信インフラとか設定の仕組みが今ほど簡略ではなかったし、クライアントもノートPCに限られてましたので、よっぽどのマニアしかやってなかったでしょう。家まで光がきて、ルータもUPnPが当たり前になったりして、ようやっと時代が追いついたのかなぁ、なんて思いました。